和をたしなむ

2018.09.24更新 - 洛風林の帯

洛風林の帯 八寸名古屋帯「雲流」

 

確固たる個性を持ったものつくりを一心にされている、

京都の帯屋「洛風林の帯」。

 

HPでのお問い合わせも多く、

着物ファンの心に届くものつくりを日々されています。

 

 

今日は、その洛風林さんの新作紹介になります。

 

 

洛風林の帯 八寸名古屋帯 「雲流」

 

茄子紺の地色と、雲を象った流れのある模様の、

エメラルドグリーンとのコントラストが美しさを「すくい織り」で表現した、

洛風林の帯らしい個性在る一品です。

 

 

今月初めの秋物の新作発表会で見分けてきたもの。

 

今月の洛風林さんでは正直なところ、

良い九寸はないかなと思い会場に伺ったのですが、

その会場奥の床の間に掛けてあったこちらの一本がどうしても気になってしまい、

九寸は次回へのお楽しみとして、この八寸を持ち帰る事を決めました。

 

 

私が想う一番の魅力は、「配色の妙」。

 

ここでは「茄子紺」と表現しましたが、

光の当たり具合によって、紺色にも、紫色にも見える地色が絶妙で、

それに加えて、雲柄に使われているエメラルドグリーン、

また、目立ちはしていませんが肝になる灰とアイボリー、

そして所々に配した銀糸の取り合わせが、

すくい織りの絵画の様な織り段と相まり、

柄の立体感と動きを表現しています。

 

 

前腹はこの様な雰囲気に。

 

 

織り糸の妙と相まって魅力を高めている「すくい織りの魅力」は、

手織りらしいぬくもりを感じる織り上がりと、

絵画を描くかの様な織り手の感性をそのままに感じる、

織目の表情」にあると、私は思います。

 

その名の通り、

経糸を一目一目をすくいながら織り上げていく「すくい織り」は、

織前の設計図はあるものの、織り手の感性の任せている部分も大きく、

その微妙な色の揺らぎや取り合わせが、帯の魅力に直結しています。

 

 

そして、八寸という事もあり、紬などの織物との相性は抜群で、

今回は時期を考えて、本塩澤の白絣に合わせてみました。

 

 

長着と帯が濃淡の組み合わせになり、

メリハリのあるコーディネートになるはずですが、

帯の地色も実は柔らかで、そして白絣もアイボリーがかかっているので、

個性は在るものの、品のある組み合わせになりました。

 

 

小物のコーディネートは、帯の柄色を際立たせたいので、

長着の色に近い、灰色の帯〆に。

 

 

渡敬さんの一品ですが、ヘリンボーンの織り柄が美しく、

無地でも帯〆としての主張がある、便利な一本。

 

 

ちなみに、このコーディネートで合わせていると、

ご来店の皆さまには、長着+帯の組み合わせよりも、

帯〆の色合わせの方が気になるご様子です。

 

 

小物は大物」とは言ったもので、

それを褒めて、気に留めて頂ける事は、

何よりも嬉しいことだと思っています。

 

 

今回は白経の長着に合わせましたが、同系色の濃色のものとの相性も良く、

これからの季節に皆さまの個性と共に、お楽しみ頂ける一本になるのではと思っています。

 

 

皆さまらしいスタイルと共に、

そして季節と共に、自分らしく着物をお楽しみ下さいませ。

 

 

掲載商品詳細

 

洛風林の帯 八寸名古屋帯「雲流」(絹100%) 150,000円(税抜・反物価格)

酒井織物 本塩澤 白絣(絹100%) 390,000円(税抜・反物価格)

 

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