「ケの美」に少しの華やかさを加えて。「美濃幸好み 久留米絣コーディネート 二選」
今月の特集、
「普段着きものに向く、美濃幸好みの木綿着物」
昨日ご紹介をしました、
に合わせて、
美濃幸好みのコーディネートをしました。
いつもとは変えて、
今日は女性向けからご紹介スタート!
藍色の地の上に鮮やかに浮かぶ、
生成り色の地色と、細やかな柄。
江戸染の名店「竺仙」さんが手掛けた、
江戸更紗を染め上げた九寸です。
久留米絣をご紹介の際に書いたのですが、
この久留米絣の美しさの源泉は、
普段遣いのものから生まれる、
「ケの美」
にある様に感じています。
それからすると、
帯もお太鼓の物なら間道や無地のもの。
むしろ、半巾帯の方がこの一反の美しさを、
より際立たせてくれるかと思ったのですが、
十字絣を女性がお召しになる事を想うと、
帯に華がある方が気品が立ちます。
そこで選んでみたのが、江戸更紗。
地色も紬の生成り色であり、
柄は細密ですが、配色はシンプル。
スッと、久留米絣の上に乗りました。
帯〆も同様、
最初は冠組無地の紺色を合わせたのですが、
それも決して悪くはないのですが、
少し物足りなさを感じる事に。
今回合わせてみた、
丸ぐけの多彩な帯〆がスマートに合わさり、
帯周りの華やかさと気品を創り上げてくれました。
先に書いた様に、
こうした本当にシンプルな長着には、
そのシンプルに振りきった帯小物の合わせ方にすれば、
本当の意味での「普段着着物」をお楽しみ頂く事が出来ますし、
この様に、少し好みの色柄を加えれば、
自分らしい華やかさも纏う事が出来ます。
続いては、男性向け。
こちらも合わせ方は女性向けと同じく、
少し、華やかさを加えたもの。
ボルドーカラーの博多織角帯が、
藍色の地色の上に浮かび、
男性らしい、甘すぎない粋さを感じます。
鮮やかな赤ではなく、
ボルドーカラーが大人を感じるもので、
ここに同色系の帯を持ってきても、
同じく大人な雰囲気は出ますが、
少し目を惹く色を入れるだけで、
装う楽しみが加わる様に感じます。
以上、
今私が直感的に選びました、
美濃幸好みの帯合わせ二選でした。
何度も同じことを書きますが、
こうした普段着着物は、
「自分らしく」という事が最も大切な事。
色選びも、帯選びも、小物選びも、
装う自分自身を軸の中心に置いて、
最も楽しいと思える様に考える事が、
日常的に着物と在る時間を過ごす、
最大の楽しみであると、私は思います。
美濃幸好みも参考にして頂きつつ、
その中から、自分らしい装いが見つかれば、
きもの屋として何よりも嬉しい事です。
楽しみながら、素敵なひとときを、
お過ごしくださいませ。
《掲載商品のご購入はこちら》
- 2024.10.01 2024年10月の定休日・和のコト教室(着付・茶道)開催日のご案内。
- 2024.09.30 10/11(金)-14(祝) 型絵染 岡田その子展 開催します。
- 2024.09.27 10月5日(土)・6日(日)「大門フェス2024 第2回大門子ども商店街」に出店をします。(5日(土)は実店舗休業となります)