きもの美濃幸でお承りする「丸洗いの定義」とは。
クリーニングキャンペーン開催の度にお知らせをしています、
とても大切なこと、「きもの美濃幸での『丸洗い』とは。」を掲載します。
初めての方は、ご参考のひとつになります様に♪
ご来店下さいますお客様のご質問や、webを見ていて、
着物ファンの多くが疑問に思っている、
「丸洗い」ってどこまでが丸洗いなのか?
そもそも「丸洗い」って何??
という疑問&質問。
確かにその通りで、丸洗いに出されるお客様はもちろん、
もしかしたら、私たちの業界の人もハッキリとした定義を持っている方は、
意外と少ないのかも知れません。
標準価格や加工の範囲に関しては、
其々のメーカーさまや、職人さんがされる事なので、
業界としての定義付けをする事は難しいのかも知れませんが、
きもの美濃幸として、「丸洗い」を承った際の「加工の範囲」は、
お客様に明示するべきだと思います。
きもの美濃幸と、当店が悉皆全般をお願いしている、
おおつき工芸との間での共通認識「丸洗いの定義」は、
一言で言ってしまうと、
「着用の際に付いた汚れを落とし、次回袖を通す時に困らない様に綺麗してお納めする。」
事です。
そのために掛かる仕事は、一部例外(余りにも酷いシミなど)を除き、
すべて料金の範囲内でさせて頂いています。
きもの美濃幸で、「丸洗い」という加工をお承りした際は、
まず、
1、お預かりした着物を一点ずつ検品。
をします。
「汚れの状態はどうなのか。」
「溶剤を使って丸洗いをしていいものか。」
「丸洗いに耐えうる状態なのか。」
などといった事を、きもの美濃幸でお預かりした際と、
おおつき工芸に着物を渡した際の、2回チェックする様にしています。
きもの美濃幸で承る際は、お客様と一緒に着物を前にして、
シミや汚れの確認、どこまで綺麗にするのかなどを相談しながら決めています。
そして、
2、溶剤を使ったドライクリーニング。
おおつき工芸さんに、当店がお願いしている「丸洗い」では、
「一枚ずつ」専用の洗濯機で洗ってもらっています。
ただ、着物ファンの方ならご存じのとおり、
ドライクリーニングでは、皮脂・ファンデーションなどの「油性汚れ」は落ちるのですが、
汗や水のシミといった「水性の汚れ」を落とす事が出来ません。
なので、
きもの美濃幸とおおつき工芸では、
ドライクリーニングの前と後、
3、すべて検品をし、汗等の水性汚れの部分を水洗いをする。
様にしています。
ここはもしかしたら、「丸洗い」という定義を大きく分ける、
ひとつの指針となるのかも知れません。
元々汚れが付いていた箇所、脇などの汗になりそうな箇所を、
一つずつ検品し、水性汚れが付いている所を水洗いしていきます。
そして最終段階、
4、シワ伸ばし~プレス加工~最終検品。
を経て、皆様の元へのお届けになります。
シワ伸ばし~プレス加工も、仕上げをふんわりとする為に、
それぞれのきものに合わせた加減をし、
最後まで抜かりない様に気を配り、仕事をして頂いています。
再度書きますが、
きもの美濃幸、おおつき工芸では、着用の際に付いた汚れを落とし、
次回袖を通す時に困らない様に綺麗にする事を丸洗いの定義にしているので、
ドライクリーニングと汗部分の水洗いは必ずセットで行っています。
その分、お客様にご提示する価格は高くなってしまうのですが、
水性の汚れというものはとても厄介で、
その時は見えなくても、何年、何十年の時を経ると黄変し、
そして黄変を直すには、その何倍もの費用が掛かり、
最悪の場合、直せなくなる事もあります。
「綺麗にしたはずなのに、どうして。。。」
という、悲しい事が無い様に、
もちろん、人がする事なので100%という保証はどこにもないのですが、
大切なきものをお預かりした以上、
何十年先も最後まで責任を持って出来る加工をする様、
当店でもおおつき工芸でも心掛けて仕事をしています。
以上の内容が、
きもの美濃幸で行う「丸洗いの範囲&定義」になります。
私たちはもちろんですが、それ以上に、
おおつき工芸の大槻健一朗さんは本当に真面目な職人さんで、
直接お逢いする事のないお客様からお預かりする着物だからこそ、
絶対に間違いを起こしてはいけない。という固い信念を持って、
毎日、毎時、皆様のきものと向き合ってくれています。
「おおつき工芸に丸洗いを出すと、着物が着やすくなって戻ってくる。」
というのは、お客様から多くお聞きする生のお声。
きもの美濃幸も、おおつき工芸も、精一杯の心を持って、
皆様の大切な着物をお預かり致しますので、どうぞ安心してご利用ください。
最後に余談ですが、
きもの美濃幸以外のお店に丸洗いを出される時は、
以上の「丸洗い」の範囲を事前に聞いておくと良いと思います。
もし、ドライクリーニングしかしない場合は、
着用された着物であれば、必ず水洗いをする事をお勧めします。
特に、単衣や暑い季節に着て、
沢山汗をかいた着物に関しては、なおさらの事です。
きもの美濃幸の丸洗いなど、
悉皆関係のお仕事をして下さっているのは、
先述のとおり、「おおつき工芸」さま。
その悉皆仕事をして下さっている大槻健一郎さんは、
私と同い年ですが全く違う道を歩み、
でも、その根底の「着物に対しての想い」は同じ、
大切なお取引先様であり、パートナーです。
ぜひ一度、大槻さんの仕事をお試し下さい。
皆様の大切な着物たちが、
末永く、世代を超えて愛されていきます様に。
※2018年2月18日(日) 悉皆屋のお仕事トーク&実演イベントにて。
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