和をたしなむ

2019.04.27更新 - 八寸・九寸(名古屋帯)

一心に織物に向かうこと。「上原美智子 あけずば織 九寸名古屋帯 平織多色縞」

 

月初の京都での問屋さんめぐりの際に見分けてきた一品たちのなかで、

いつかいつかと心待ちにしていたのが、今日ご紹介する九寸の一本。

 

あまりにも到着が遅かったので思わず問屋さんに、

 

「早く!店に送って!!」

 

と催促をしてしまった、そんな一目惚れの一品です。

 

 

上原美智子 あけずば織 九寸名古屋帯 平織多色縞

 

 

沖縄県南風原に工房を構え、製織活動をされている、

上原美智子さん作、平織の九寸名古屋帯の一品です。

 

実は7年前、まだ美濃幸に戻って間もない頃、

沖縄の産地勉強会に誘って頂き、

その際、最初に伺った工房が上原さんの工房でした。

 

その時の様子はこちら上原美智子 あけずば織

 

 

今よりもまったく、着物専門店の商品知識も、染織の知識もない頃で、

こうして今、改めて上のブログを読み返すと、

上原さんの工房に伺い、ものつくりの原点に触れた時の感動が、

文章の行間から感じる事が出来て、

自分自身が読み返しても、面白くも恥ずかしい心地がします。

 

 

それくらい、上原さんの「織物」かける情熱の強さと真っ直ぐさ、

そしてものつくりの原点を感じた事に心打たれた事を今でも覚えています。

 

 

今日、ご紹介します一品も、

そうして心を打たれ、惚れてしまった一品。

 

 

いたってシンプルな縞柄ですが、

いつまで見ていても飽きない美しさが、そこには在ります。

 

 

琉球藍や月桃、くちなし、インド藍で糸を染め上げ、

それらを経糸に仕掛けて織り上げていく縞柄の織物。

 

 

そのシンプルかつ、原点的な縞柄で織り上げたこの一本を前に、

 

私とって、お豆腐みたいな一本ね!

 

と、上原さんは笑顔を浮かべて仰っていました。

 

 

特に凝った技法がある訳でもなく、シンプルな平織で織り上げたものは、

織物に一心捧げておられる方にとっては変わらぬ日常に在る、

「お豆腐」みたいなもの。

 

でも、そのお豆腐の善し悪しは、一つ手を抜くだけですぐに見破られる、

高い技術と鋭い感性が必要とされます。

 

 

織物に限らず、どんな事でも、一心にその事に向かう姿勢は、

ありのままがその成果に反映されます。

 

一糸乱れぬ、美しい細縞柄を目の前にして、

上原さんの織物に向かわれる心を知り、

今の自分がそれに適うものか、

見ても見飽きない帯を前に想いをともにする、

そんな日々を過ごしています。

 

 

掲載商品詳細

上原美智子 あけずば織 九寸名古屋帯「平織多色縞」 200,000円(税別・反物価格)

 

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