和をたしなむ

2020.05.09更新 - 附下

夏の涼感、附下の品格、そして少しの遊び心を込めて。「染の川勝 変わり絽地 白茶 夏附下『夕顔』」

 

最近の夏のフォーマルなお出掛けは、

「暑いから洋服で・・・」という方も多い反面、

 

「夏だからこそ、着物で!」

 

という方も多い様に感じています。

 

 

かといって、フォーマル傾向が強い一着となると、

なかなか出番がないので、食指が伸びない。。。

なんてことも着物が好きな皆さまの本音かなと思ったりしますが、

皆さまはいかがでしょうか。

 

 

そうした皆さまに、

帯合わせを変えながら色々と楽しめる、

そんな夏附下をご紹介します。

 

 

染の川勝 変わり絽地 白茶 夏附下「夕顔」

 

 

京友禅の名店「染の川勝」さんにお願いをし、

別注で染め上げて頂いた、夏附下です。

 

変わり絽の生地を、白茶色の地色に染め上げ、

そこに絞りと刺繍、素描の金彩で仕上げた、

夏の涼感と格調がありながらも、遊び心もある仕上がりになりました。

 

 

今年2月の新作夏物の発表会。

 

必ず立ち寄らせて頂いている染めの川勝さんの会場に着き、

ぐるっと見回した時に私の目と心に留まったものは、

この夕顔が染められた「九寸」でした。

 

一旦は、その九寸を注文したのですが、

私の中で妄想が広がり、

 

「帯も良いけど軽めの附下にしたら、もっと楽しいものが出来るのでは?!」

 

と思い立ち、

川勝さんにお願いをして、夏附下として染めて頂きました。

 

 

とはいえ、

同じ柄、同じ地色といえども、

九寸と附下では柄の取り方や大きさ、色自体も表し方が違うので、

何度か問屋さんと話を重ね、想いに添った図案を作成して頂き、

あとは川勝さんを信じてお願いをして染上がってきたのが、こちらの一品。

 

その時の様子は当店ブログにて→来たる春を超えて、夏を感じて~

 

 

川勝さんの仕事の素晴らしさを改めて感じる、

最高に仕上がりになりました。

 

 

誂えの品なので生地選びから始まるのですが、

こちらも美濃幸好みに。

 

 

川勝さんにお願いをして、

ただの絽の生地ではないものを探して頂きました。

 

少ししぼの立った、波柄の変わり絽。

 

私が思う「少しの遊び心」を、

上手に表現出来るキャンバスになりました。

 

 

前身頃はこの様な雰囲気。

 

 

柄の大きさは小振りにしてもらい、

柄数も最小限まで減らしてもらいました。

 

柄自体の高さは抑えつつも、裾からの立ち上がりの高めにしてあるので、

ご身長に合わせて高さの微調整はしやすくなっています。

 

附下としての品格はキープしつつ、

帯次第で着回ししやすい様になったかと思います。

 

 

肩から胸、袖の様子はこちら。

 

 

シンプルで、軽やか涼感を出すために、衿は無地にすることに。

 

こちらも身頃と同様、帯次第で色々楽しめる仕上がりです。

 

 

柄のアップを見ると、手仕事の美しさを感じる仕上がり具合。

 

 

夕顔の花と葉の輪郭は絞りで表現し、葉はそれぞれ別色に染め上げ、

花の中は小さな刺繍を丁寧に施し、最後、茎と葉脈を素描の金泥で仕上げる。

 

 

生地の地模様や風合いとも相まり、

絞り、刺繍、金彩、それぞれの良さが引き立つ仕上がりになりました。

 

 

こうした丁寧な手仕事をお願い出来る事は、

きもの屋として何よりも嬉しく、かけがえのない財産だと、

反物を前に改めて感じます。

 

この様な厳しい時勢となり、間違えなくものつくりの現場では、

今まで以上に仕事の数が減っている事と思いますが、

これからも当店の出来る限り、こうした素晴らしい仕事をお願いし、

ご縁のあるお客さまにそれをお伝えしたいと思います。

 

 

先にも書いた通り、帯合わせは色々と楽しめる一品。

 

 

続いてのコラムでは、

引き続き美濃幸好みの一本をご紹介したいと思います。

 

 

 

来たる季節が皆さまにとって、心躍る素敵なひとときとなります様に。

 

 

掲載商品詳細

 

染めの川勝 変わり絽地 白茶色 夏附下「夕顔」 390,000円(税別・反物価格)

 

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