和をたしなむ

2021.10.08更新 - 徒然なるままに

成長と共に末永く愛される一着になります様に。「産着(初着)の誂えとは。」

時節柄、

七五三のご相談が増えているのですが、

今日は七五三ではなく、「産着(初着)」のこと。

 

 

といっても、

遠からず近からずの未来には、

七五三へと繋がっていきますし、

そもそも七五三は、

お子様の成長と家族の節目を祝うこと。

 

私の中では、

七五三は産着から始まっています。

 

 

今日、ご相談をお受けし、

お仕事をお承りさせて頂いたご家族様は、

9月にお嬢様がお生まれになった方。

 

 

最初は、

 

「レンタルってどうですか?」

 

というご相談から始まり、

以前、コラムでも書きました、

七五三の意味をお伝えしたところ、

 

「娘の為に一着誂えたいので、相談に乗って下さい。」

 

とのお返事を頂き、

嬉しくも、気を引き締めて、

今回のお仕事に掛からせて頂きました。

 

 

まず、お好みなどをお伺いをし、

ご予算などもお聞きしながら、

産着の上着と長襦袢を決定。

 

 

とても愛らしく、また他にはない、

素敵な一反をお選びになりました。

 

 

薬玉のなかにある、とある花は、

生まれたばかりのお嬢様のお名前と同じもの。

 

地色や柄の雰囲気と相まり、

想いが籠った一反となりました。

 

 

一反が決まり、ほっとするのもつかの間、

ここからはピッチをあげなくてはいけません。

 

 

七五三や成人式は、

あらかじめ行う日取りが分かっていますが、

お宮参りとなると、30日前後が通例。

 

最近は、あまりそれには拘らず、

産後間もないお母様の体調も気にしながら、

気候が良い時を見計らって行いますが、

それでも、ゆっくりしている訳にはいきません。

 

 

仕立ての段取りをするとともに、

上着の裏地「八掛」の準備に掛かります。

 

 

初衣という事もあり、おめでたい事もあり、

また誂えの良さを活かすために、

産着の八掛は別染にしています。

 

 

反物の巻の奥から、端を切り取り、

 

 

その布を付けて、

信頼のおける染屋に染め出しをします。

 

 

八掛なので、別色や、

柄の中から一色を取っても良いのですが、

誂えらしい良さを出すためには、

表地と同色が品格を備えてくれます。

 

 

別染は日にちを掛けた方が、

より良いものが染め上がるのですが、

当店がお願いをしているところは、

こうした事情も踏まえた上で、

最短かつ最良の染をして下さるので、

本当に有難い事。

 

 

染め上がるまでに、

仕立て屋との打ち合わせと段取りを整え、

すぐに仕立てに掛かれる様にしておきます。

 

 

お子様にとっての初衣が、

長着や長襦袢から始まり、八掛や仕立てまで、

多くの職人の手を渡っていき、

恐らくそれぞれの職人たちが、

おめでたい一着に関われる事を心から喜び、

精一杯の仕事をしてくれる事でしょう。

 

 

そのどれもに不備や失礼がなく、

すべてが思い出深い一着となる様に、

節目のその時まで気を抜かず、

きもの屋としての仕事に努めたいと思います。

 

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