木綿の藍絣の素朴さと温かさを感じる季節。「小川内龍夫 久留米絣 蚊絣」
私は木綿の着物が好き。
木綿が持つ暖かな風合いや、使い込んでいくと馴染む素材感、
自宅で気軽に水洗いが出来る日常性など、
絹物にはない、日常感というか普段着感が、
毎日の様に着物を着る私にとって、かけがえのない存在です。
普段使いの範疇は人それぞれで、
私のように「毎日」が普段の方もあれば、
かたや「毎週末」が普段の方、またTPOによって変わるのも、
普段着の着回しをする楽しみでありますが、
今日ご紹介する一品は、
「木綿の魅力」を存分に味わって頂ける、
久留米絣のコーディネートです。
小川内龍夫作 久留米絣 蚊絣
九州、久留米で製織されている木綿織物、
「久留米絣」の藍絣の一品。
その道50年、久留米絣の重要無形文化財技術保持者に、
その名を連ねる、小川内龍夫氏のもので、
シンプルな蚊絣が、藍絣や素材の良さを際立たせてくれている、
木綿織物になります。
木綿と藍の関係は、人々の日常に深く根付いており、
木綿が「普段着」の素材として、
日常的に栽培・使用される様になったのは、
江戸時代に入ってからのこと。
歴史はまだ、400年程しか経っていません。
同時に、日本の染色の代表とする「藍染」。
藍染の日本での歴史は古く、平安時代から苧麻などを染める染料として、
時代時代の色を染めてきましたが、木綿の登場により、その生産量は増大。
江戸時代を機に、「日常の着物」として、
「藍染の木綿織物」が、その地位を確保しました。
この久留米絣も、その歴史の中で生まれた織物。
この一品は「蚊絣」という、細かな十字絣のものですが、
鶴や花柄などの「絵絣」で織り上げる物も、
こうした民芸調の木綿織物の魅力のひとつ。
今回ご紹介する一品は、そうした民芸を由来とする「素朴さ」と、
シンプルな蚊絣が持つ「モダンさ」を、双方で楽しんで頂ける仕上がりです。
今回のコーディネートで合わせた帯は、
長野県で製織されている「伊奈紬」の、
九寸名古屋帯を合わせてみました。
普段着の装いを考えるのであれば、
お太鼓のものではなく、半巾帯も良い選択かと思いますが、
今回は少し着物らしさを引き立て、九寸を合わせる事に。
「自分らしく着まわすこと。」
「楽しみながら着ること。」
着物というと、現代においては「非日常」ですが、
日常の一コマに在る着物たちは、そうした心と共にあるように思います。
どこか哀愁と日本の良さを感じる、藍染の木綿織物と共に、
皆さまも自分らしく、着物と在る日々が訪れます様に♪
「掲載商品詳細」
小川内龍夫 久留米絣 蚊絣 木綿100% 140,000円(税別・反物価格)
伊奈紬 九寸名古屋帯 破れ格子 絹100% 105,000円(税別・反物価格)
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