親から子へと受け継がれる愛情を一着の着物に込めて。「七五三のお仕立て直し」
10月の特集、
「秋袷に向く、美濃幸好みの紬」
をご紹介する前に、
七五三のお話しを進めております!
紬が気になる皆さまも、
今しばらくお付き合いのほどお願いします。
昨日のコラムにて、
誂えの産着や七五三の祝着の話をしました。
でもそれ以外にも、
親から子へと受け継がれる衣裳を、
お見立てさせて頂く事も、
着物専門店としての大切な仕事。
今日も一揃え、
来たるハレのひとときに向けて、
そうした着物をご納品しました。
着物と長襦袢は、
お母様が七五三の時にお召しになられたもの。
小柄なお子様という事もあり、
寸法的にも問題なくお着せ出来る事を、
着物と実寸から確かめた上で、
元々あった肩揚げと腰揚げを解き、
目立つ染み抜きなどをしたのち、
お子様のご寸法に合わせて、
揚げ直しをしました。
肩揚げは、ギリギリでしたが、
充分様になるようにして。
腰揚げは十分な付ける事が出来ました。
古い着物は、
どうしても反巾が狭く作ってあるので、
最近の手足が長いお子様に着せると、
寸足らずな感じになりがちですが、
七五三の着物に関して言えば、
肩揚げと腰揚げを上手に作る事で、
解いて仕立て直す事をしなくても、
直せることが多かったりします。
それにしても、本当に素敵な配色。
もちろん、時代は感じますが、
それ以上に、上品な品格を纏った一着です。
そして、大事にされてきた事が、きものから伝わってきます。
このお客様ともお話をしていたのですが、
きもの屋として、
新しい着物を誂えもらってこそ、
自身にとっても、産地や職人にとっても、
何よりも有り難い事に違いないのですが、
こうして、
年月を経ても愛されている一着を前にすると、
そうした想いとは別の、でも間違いない、
着物専門店として喜びや嬉しさを感じます。
この一着を誂え下さった、親御さんの想いや、
この一着を選んだ、きもの屋さんの想い、
この一着を仕上げた、職人さんの想い、
そうした時代を経ても変わらぬ愛情というものを、
大切にされて、たとう紙に仕舞われていた、
着物たちから感じ、それが何よりも嬉しいです。
そんな色々な想いを感じながら、
また、そうした事を知らせてくれる事に心から感謝をしながら、
ハレのひとときを無事に、楽しい思い出と共に迎えれる様に、
一着ごと、精一杯努めたいと思います。
- 2024.12.01 2024年12月の定休日・和のコト教室(着付・茶道)開催日のご案内。
- 2024.11.28 12月1日(日)~15日(日) 最大30%OFF! 歳末セールを開催します!!
- 2024.11.01 2024年11月の定休日・和のコト教室(着付・茶道)開催日のご案内。※11月18日更新