和をたしなむ

2024.05.02更新 - 徒然なるままに

祖父と私が相まみえる時。

 

私まで数えて3代にわたって商いをさせて頂いている当店。

 

祖父の頃からご愛顧くださっているお客様もあれば、

私とは面識もなく何十年ぶりかにご来店くださるお客様もおられます。

 

 

過日ご来店下さったお客様もそんなお一人。

 

 

ご当人さまの祖母様がご子息樣のために誂えた七五三の衣裳を、

今度は孫に着せたいと思われてのご縁繋がりとなりました。

 

 

大切に保管されていたたとう紙を解くと祖父が見立てた男児の衣裳が。

 

そしてたとう紙には祖父の字でお客様のお名前がしたためてあります。

 

 

 

 

祖父は私が高校生の頃に他界しているので、

仕事を通した会話をする事はありませんでしたが、

 

当時のたとう紙もそのままに、大切に保管され、

当時の色彩を変わらずに放つ衣裳を見るにつけて、

きもの屋としての仕事の在り方や矜持というものを

言葉なくとも教えてもらっている心地になります。

 

 

頂いた七五三の仕事を終えて、

たとう紙は私の代の新たなものへと移し替えて、

衣裳は次の世代へと受け継がれていきました。

 

 

 

こうした世代や時間を超えた何かを感じさせて頂ける事が、

私がきもの屋をさせて頂く最高の喜びであり、

やりがいへと繋がることを再確認させて頂く機会になりました。

 

 

きものというものには、

不思議とお一人ごとのストーリーがあります。

 

 

きものを通して素敵な思い出深いひとときをお過ごしくださいませ。

 

  • 記事一覧

カテゴリー / Category

アーカイブ / Archive

和のお稽古 / Lesson

お知らせ / Information

→ お知らせ一覧

↑PAGE TOP