和をたしなむ

2019.04.10更新 - 女将の着姿

入学式に向かう、若女将の着姿を。

 

昨日は息子の小学校入学式。

 

 

「着物屋の嫁」という事もありますが、本来から着物が好きな、私の奥さん。

 

元々の出会いも、着物がらみだったりします。

 

 

そんな、着物屋の嫁の、

息子の小学校入学式に向かう着物姿はこちら。

 

 

鶸色の地色に花菱の柄を染め上げた、染めの川勝さんの附下に合わせて、

女将愛用であり、それを受け継いだ嫁お気に入りである、

洛風林さんの鳳凰丸紋の袋帯をコーディネートしました。

 

 

この洛風林さんの袋帯は、女将が昔に購入をしたもので、

別腹にもなっている、手の込んだ一本。

 

上の様に、前腹は縦の花柄になっており、

お太鼓は下の様に、鳳凰の丸紋が織り込まれています。

 

 

垂先にも別柄が見える様に織り込まれており、

前腹~お太鼓~垂先と全て、違う柄が見えるところがポイント。

 

使われている織り糸に時代を感じますが、

時代を感じるからこその良さが、共に織り込まれた一本になっています。

 

 

附下は色々と悩みながら、数週間前の直前に、これに決めました。

 

 

その柄自体の量は少なめですが、

ひとつひとつ、友禅で手挿しがされており、

丁寧な仕事の良さを感じさせてくれる一着になりました。

 

このあたりの仕事は、「流石! 染の川勝!!」と唸る仕上がり具合。

良い物は良いという事を、嫁に着せながらにして感じさせてもらいました。

 

 

入学式に向かう母の着物姿は、

 

一歩控え、主役を引き立てる。

 

という事が、美濃幸流のポイントです。

 

あくまでも入学式や卒業式は、それに出席する「子ども」が主役であり、

母親の着物姿がその祝いの席、門出の時に華を添える事が肝に。

 

なので、あまり豪華な色柄のものにするよりも、

小付けな色柄のものにする事が大切になります。

 

 

色無地や小付けな附下であっても、

こうして帯を袋帯にしてあげる事で豪華さと華やかさのバランスが取れて、

全体にまとまりある着姿に仕上がります。

 

 

来年以降の式典に向かわれる皆さまの少しの参考になれば、

 

そして、大好きな着物を着る事が、

節目の時に華を添え、家族のかけがえのない思い出に刻む、

そんな一助となる事を、

着物屋としても、着物ファンとしても、心から願っています。

 

 

皆さまとご家族さまにとって、素敵な思い出深いひとときとなります様に。

 

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