帯の格に合わせた、春らしい軽やかな附下コーディネート二選。
25日(土)まで開催中、
「春うらら~附下・色無地展~」と、
同時開催、「二年に一度の蔵出し市~帯〆・帯揚の巻~」
春雨ふる三日目の会期を無事終了し、
打って変わっての青空広がる四日目を開催中です!!
今回は二つのイベントを同時開催しているのですが、
どちらを目的にお越し頂いても「春らしい色柄の世界」を存分にお楽しみ頂ける様に、
色々と準備をしてきました。
今日のコラムでは、そんな一品の中でも「春色の附下」を二選、
帯の格を少し変えながら、皆さまにご紹介をしたいと思います。
まず一つ目はこちら、
柔らかな鶸色の地色に、菱取りのボカシと刺繍が施された附下に、
軽やかな色合いが品の良さを引き立ててくれている、袋帯のコーディネート。
附下は「染の川勝」さま、袋帯は「美術工芸啓(ひらく)さまの一品たちです。
こちらはどちらかというと、「附下らしい」コーディネート。
フォーマルには袋帯はベーシックな組み合わせですし、
その色柄もベーシックな古典文様を使用し、
どなた様にとっても、安心して着物を楽しめるコーディネートです。
この袋帯の様に、白経の帯(経糸が白・白地の帯)はとても重宝するもので、
フォーマル・カジュアル問わず、箪笥の中に一本あると、
「どれを合わせようか?」と悩んだ時に、比較的どんな着物にも馴染んでくれます。
このコーディネートの様に「フォーマル」というカテゴリの中で考えるのであれば、
「白経」で「古典柄」の「袋帯」と三つのキーワードが揃えば、
大体のTPOで使って頂ける、本当に重宝は一本になります。
そして二つ目はこちら、
淡い桜色の地色に刺繍が施された附下に、
橘や菊など、格の高い花柄が染め抜かれた、塩瀬の九寸名古屋帯の組み合わせ。
一つ目のコーディネートよりも少しくだけた、
でも、附下としての品は保つことを頭に入れてのコーディネートです。
先週も少し書きましたが、
帯の格のすべては、袋帯や名古屋帯などの「形式」に準ずる訳ではなく、
使われる「柄」に準ずることが多いという事。
袋帯でも、遊び柄はカジュアル向きですし、
名古屋帯でも、吉祥模様はフォーマル向きという事です。
そうした感覚でいくと、この塩瀬の九寸名古屋帯の様に、
描かれた柄が「橘」「菊」という、家紋にも使われる「格の高い柄」なので、
附下に合わせても、しっくりと馴染んでいきます。
もちろん、TPOに合わせて考えるので、一つ目と比べると万能さは劣りますが、
入卒式など、お子様の引き立て役として向かう席には、
これくらい抑え目であり、かつ、品格のある組み合わせもいかがでしょうか。
組み合わせる帯によって、雰囲気を大きく変えてみた、今日の二選。
期中は、店にある商品をご覧頂くと共に、
お手持ちのコーディネート相談なども気軽に承っています。
どなた様にとっても、気軽に、楽しく、着物と過ごせます様に。
今日もご来店の皆さまとそんなお話が出来る事を願い、
お会いできますことを、心より楽しみにしております♪
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