感性を共に出来る、きもの屋の幸せ。
先日、
きもの屋家業とはまったく違う話の中で、
「商売をしていて、最もうれしい瞬間は?」
という話になりました。
他業種の方々とのそうしたお話は面白く、
具体的にどんなうれしい瞬間が出たのか、
記憶から飛んでしまっているのですが、
私自身、
最もうれしい瞬間は何かといえば、
「お客様との感性の波長が合った瞬間」
と答えました。
商品がたくさん売れるとか、
高額品が売れるとか、
そうした事ではなく、
(注)もちろん!それはそれで嬉しいです♪
私が「良いな!」と思った一品を、
同じく「良いな!」と思って下さるお客様と、
ご縁や感性のフィーリングが繋がった時に、
自分がきもの屋をしている喜びを、
最大限に感じています。
当店の様に、
好みの一品を探して問屋を歩き回わり、
「この商品、今とっても人気です!」といった、
問屋さんの売り文句に意も介さずに、
ふと目と心に留まった一品を、
一点ずつ仕入れをしていく店にとって、
同じ想いを着物を通して同じくできる事は、
本当に嬉しく、励みになること。
過日も、その様な想いと共に、
一点の帯をお譲りする事が叶いました。
※お客様のご了解の上、写真掲載をしております。
小島貞二さんの九寸。
型絵ではなく、木版染で仕上げた一本で、
この帯も一目惚れで仕入れた一本です。
出会うまでは、
まったく仕入れをする気もなかったのですが、
出会ってしまったからには覚悟を決め、
「〇〇さまにご提案してみようかしら?」
などと思いつつも、
「この一品を、店に掛けたいか?」
「置いたら、お客様はどう思われるか?」
という事を考えながら、
心を決めて仕入れをしました。
結局は、店に掛ける間もなく、
すぐに一目惚れをして下さるお客様が見つかり、
その方の元へお嫁にいくことに。
帯という「もの」を介しながらも、
ものつくりや感性といった「想い」を、
ものを通してお譲りできたことが、
何よりも嬉しく、誇らしい瞬間でした。
そうした幸せの瞬間を、
お客様と共有できるように、
これからもしっかりと問屋を歩き、
目と心を研ぎ澄ませて、
一品ごとの見分けが出来る、
そんなきもの専門店で在りたいと思います。
Iさま、ありがとうございました。
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