男のきものを嗜む。「令和最初に着る着物。」
新時代「令和」がはじまり、あっという間の半月。
もう新元号にも慣れてきた頃です。
平成最後の営業日に、
「平成最後の日に着た着物」と題してコラムでもご紹介しましたが、
では、令和最初の日に着た着物はどの様なものかというと、こちら。
ブログではお馴染み、格子柄の立て絣塩沢御召に、
藤色の博多織の角帯を合わせました。
ちなみに、この塩沢御召は「単衣」。
きものの暦でいえば、5月はまだ袷の季節ですが、
令和に入ってからの二週間の名古屋の気候を考えれば、
単衣を着るのが必然的な気温25度前後の日ばかり。
朝夕は気温も落ち着いていますが、
日中の事を考え、また炎天下の中を外出するきものユーザーさんからすれば、
今から単衣を選ぶのが当たり前の様に思います。
「着物屋がしきたりを守らないなんて!」
というお叱りの声もあるかと思いますが、
「着物屋が新たな常識を認め取り組まなくては、今の着物を楽しめない!」
というのが、私自身の本音。
私は決して昔からのしきたりや、
先人が築いてきた良き歴史を無知や無為に壊したいのではなく、
むしろそれを守りながらも前に進めたいと思っています。
相手を重んじ、相対する人のために袖を通すハレの日の着物に関して言えば、
そうしたしきたりやルールが(私的にはドレスコードと思っています)、
大切な人への想いを込める事に繋がると思っていますので、
いくら暑くとも色々と工夫をしながら、暦を護るコーディネートを心掛けますし、
ご縁のあったお客さまにもその様に伝えます。
反対に、自身のお洒落できるカジュアルな着物の場合は、
自身の感覚に合わせて、その日の着物を選ぶ事が当たり前だと思います。
真夏に袷を着る人がいないので、何となく早目に単衣を着る事が目立ちますが、
ファッションは自由であるべきですし、美の基準は人それぞれ。
もし、私自身の心の中に「?」が浮かぶような違和感を感じる事があっても、
それを受け入れる事が出来るような、フラットな心で在りたいと、
常々思いながら過ごしています。
平成の30年間は、
きもの業界においては衰退の一途を辿る時代でしたが、
令和の時代はそれとは違う、新たな着物の楽しみ方が見つかる、
広がりのある素敵な時代になる事を願い、
そうしたお役に立てる様な着物屋で在りたいと思っています。
皆さまも素敵な着物と在るひとときをお過ごし下さいませ。
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