男のきものを嗜む。「初春に浴衣はどうなのか!?」
期中はこの様な出で立ちで、
松坂屋名古屋店にて開催中の、
「アリマツーケット」の会場に向かっています。
有松絞りのイベントという事もあり、
私の手持ちで愛用の有松絞り浴衣。
こちらの袖を通して、会場入りをしました。
「浴衣は夏しか着てはいけないの?」
「浴衣は昼間には着てはいけないの?」
という質問は、
毎度夏になるとweb上で見かける、
多くの皆さまのお悩みです。
「夏以外や、昼間に浴衣なんて、ルールに反する!」
といった、
しきたり論はさておき、
3月の初春、
最高気温14℃で浴衣生地を着ると、
どの様に感じるかを、
私の体験からお話をしたいと思います。
ご参考のひとつにどうぞ♪
まず、最初に感じた事は、
「寒い!!」
という事(笑)
3月に浴衣生地を着るのは、
さすがに肌寒さは否めません。
長襦袢を着て、
袖なし羽織を羽織り、
足元は足袋を履いていましたが、
室内はまだしも、屋外に出ると肌寒さを感じました。
この有松絞りは綿紅梅の生地。
浴衣用という事もあり、
生地の透け感はそこそこにあり、
通気性も抜群!
少し陽が陰って来た時に吹く、
ひんやりとした春風は、
そのまま、体全体で感じる事になります。
真夏にはそれが最大のメリットになりますが、
さすがに3月ではデメリットを感じる事が多く、
もし、この時期(最高気温15度近辺)に浴衣を着るのであれば、
インナーを冬用のものにして、
もっと着込む必要があると感じました。
コーディネートに関しては、
男性の場合、
角帯の色目を暖色系にしたり、
長襦袢を着る事や足袋を履けば、
全く問題はない感じ。
ただし、浴衣らしい夏色が、
着姿の前面に出てしまうと、
今の季節感とのギャップを感じるので、
一着、何かしらの羽織を着て、
浴衣の色柄を抑える事が出来れば、
まわりの季節感とも調和すると思います。
その羽織も薄物よりは、
春秋に着る様なものを選ぶのがベスト。
先ほど書きました寒さ対策でもあり、
見た目対策でもあります。
最後に、
同じ会場でお仕事をさせて頂いている、
他のブースの女性も、今日は浴衣を着て、
接客をしていたのですが、
その方から、
「私の浴衣姿は、プロの目線から見て変ではありませんか?」
と質問をされました。
それに対する私の回答は、
「貴女らしくて、とても素敵ですよ♪」
そう、
浴衣はあくまでも普段着であり、
お洒落を楽しむもの。
そこにプロの目線や、
他人の目線は関係がなく、
自身が快適で、楽しいと思える事こそ、
浴衣を着る楽しみがあると、
私は思っています。
「寒ければ、着込めばいい。」
「浴衣は夏に着るもの。」
どちらの意見であっても、
それはご自身が良いと思えるものを選択し、
自分らしく装う事が大切ですし、
どちらも正解という事です。
フォーマルの場、セレモニーな場など、
相手がある場のきものの場合は、
その方の事を想ってのコーディネートが着姿には求められますが、
カジュアルに自分らしいお洒落を楽しむ時は、
自分の心にこそ答えがあるという事を思い、
着物を楽しんで頂きたいと思います。
これからの季節、
この様なお悩みを抱えた方の、
少しの参考になれば幸いです。
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