男のきものを嗜む。「2018年商い初めの一着。」
昨日は本年2018年の、商い初めの一日。
一年のスタート何に袖を通そうか、お正月の間に色々と考えながら過ごすのですが、
今年はこの様なコーディネートで一年が始まりました。
杢無地の本場結城紬に、色が鮮やかな荒磯緞子の角帯を合わせ、
羽織は一つ紋を入れた、梨地御召のもの。
洒落物が得意なきもの美濃幸らしく、
また新年の御挨拶にも失礼のない様にと心掛けた、
そんな組み合わせとなりました。
杢無地の結城紬は、祖父の一張羅を譲り受けたもの。
出自は詳しく知らないのですが、恐らく地機の本結城で、
今誂えようと思っても手に入らず、また見つけたとしてもかなり高価なもの。
それは祖父の時代から大して変わっていない様で、
「汚したら一大事!」と、祖母はなかなか祖父に着せなかったと、
女将から聞き伝わっています。
確かに良いもので、素材感はもちろんですが、
無地とは違う、多色の織り糸が織り込まれた生地感は、
男のきものらしさを一層楽しめる、そんな仕立て上がりになっています。
新年の御挨拶廻りは、この結城紬を誂えた頃の、
何十年も前からお世話になっているお客様のお宅へも伺うので、
御挨拶の際はそんなお話しでも盛り上がり、そうした意味でも相応しい一着。
荒磯緞子の角帯は、新年には相応しい縁起の良い柄で、
荒波に踊る出世魚「鯉」の柄は、晴れ晴れしい新年とその想いを込めて結んでみました。
梨の肌のように、細かな質感を持つ「梨地御召」は、
当店の御召全般をお願いしている、織司なかむらさんのもの。
背に一つ紋を縫いで入れているので、こちらも新年の御挨拶に最適な一着です。
そして私のように、日々着物を着て過ごしている人にとっては、
慶弔両用出来る羽織は必須アイテムのひとつで、
これさえ羽織っていれば、帯を変えるだけでどちらの場にも迎える、
とても便利な一着になっています。
こんなコーディネートで始まった、2018年。
今日お逢いしたお客様の評判も上々で、ほくほくと嬉しい私。
今年も皆さまと着物と共に在る楽しい日々を、
一緒に過ごす事が出来たらと思います。
皆さまにとって楽しき一年となります様に♪
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