秋単衣に想いを馳せ、山帰来を織り上げる。「すくい織り八寸帯・まこと織物・山帰来」
私には、
好きな染屋さん、機屋さん、問屋さんが
何軒かあります。
人間的な好きという事も大切ですが、
それよりも好みが同じということ。
それが重なり合い、
「美濃幸好み」となる訳ですが、
今日ご紹介する一品は、
そんな美濃幸好みを織り上げて下さる、
大好きな一軒で生まれた一本です。
京都西陣の名店にして、
すくい織りを最初に織り上げた、
老舗名店「まこと織物」さんが手掛けた、
織の八寸帯になります。
すくい織りは、
経糸の下に図案を置き、
その図案を見ながら、
緯糸で柄を織り上げていく技法。
綴れ織りも同じような技法で、
織物を仕上げていきます。
緯糸は横一杯に渡る訳ではなく、
柄の部分だけを行き来し、
一段一段、図案を見ながら、
職人さんが織り上げていきます。
その様子は、絵筆で絵を描く様。
図案の通り織り上げていく訳ですが、
実際には職人さんの感性も重要で、
柄の雰囲気や全体の印象を見ながら、
微妙な筆遣いをするかのように、
織り糸を走らせ、織り上げていきます。
今回ご紹介する一本は、
山野草である「山帰来」をモチーフにした一本。
陶板に描かれた山帰来の様子は、
正に筆で描いたかのように、
滑らかな曲線と共に表現されています。
織物だけど、染物の様な柄表現。
そこにすくい織りの魅力があるのですが、
微妙な色具合や、暈し表現にこそ、
まこと織物さんの個性が表れています。
前腹の様子はこちら。
通常の織帯と違い、
柄は通しではないので、
こちらはお太鼓と違う柄付けに。
シンプルですが、
とても品のある仕上がりとなっています。
山帰来というと、
赤く色付く実が特徴的ですが、
こちらはそれに至る前、
爽やかな若草色が印象的です。
とはいえ、
柄のバックの黄色が秋を思わせ、
これからの季節にこそ活きる、
最良の一本かと思います。
秋単衣に想いを馳せ、季節と共に着物を楽しむ。
そんなお気持ちに寄り添う一本になれば、
何よりも嬉しいことです。
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220,000円(税込・反物価格)
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