細やかな仕事が光る、吹き寄せ柄の附下。「染の川勝 附下 吹き寄せ柄」
昨日ご紹介をしました帯匠丹波屋さんの九寸名古屋帯に、
今年、染めあがったばかりの附下を合わせてみました。
京友禅の名店「染の川勝」さんのお仕事。
今年の年始に相応しい一枚をと思い、
昨年から柄を選び、地色を選び、別誂えで染め上げて頂きました。
こっくりとした深みのある濃紫の地色に軽やかな吹き寄せ柄が染め抜かれ、
品の良い染め上がりになり、注文した私的にも納得の仕上がり。
豪華な附下は意外とありますが、
この様なあっさりとしつつも、丁寧な仕事が成されたものは、
なかなか見つかりません。
職人が減り、それと同時にインクジェットの様な新しい技術が入り、
決してすべての新しい技術が悪いわけではありませんが、
本質的な「物の良さ」を感じさせてくれる一品が減る事は、
私にとっては何よりも悲しいこと。
こうして少しずつですが注文をしていき、
そうした想いを共にして下さるお客さまにご提案出来たらと思います。
さて、本題に戻りまして、
色数を多くし、柄を多くして、豪華さを出すのは簡単なこと。
細やかな仕事の中に上質な仕事を感じさせてくれるところに、
この附下の魅力があります。
一花ごとに丁寧に薄紅を挿していき、
前身頃など目につく位置の柄は、すべて金彩で縁取りを施し、
その一部には金駒刺繍が施されています。
さりげなく、でもしっかりと。
「今」の京友禅らしさと良さが込められた、
そんな一品になっています。
帯匠丹波屋さんの帯との相性も、なかなかいい感じです。
この附下の様な「濃色」で「小付」なものには、
白経の大柄なものは合いやすいのですが、
初春らしい空気感を持つ一月には一層馴染む様に思います。
見ているだけで心躍り、その折々の季節感を感じさせてくれるものは、
着手だけでなくまわりに皆さまにとっても楽しい、
きものらしい楽しみ方のひとつ。
それに合わせた渡敬さんの帯〆も良い色で、
長着と帯の個性をまとめてくれました。
春らしい季節感を持って、正統派のきものを楽しむひととき。
この着物の出番と言えば、これからの季節は卒業式や入学式など、
家族の節目が多いのではないでしょうか。
晴れやかさを持たせつつも、大仰には感じさせない、
一歩控えた品格とお洒落をお楽しみ頂けたらと思います。
そんな我が家も今年は入卒式ラッシュ!
嫁の着物はどれにしようかと、思案の日々を過ごしています。
ぜひ皆さまも家族の節目は意中の着物や帯と共に、
思い出深いひとときをお過ごし下さい。
《掲載商品詳細》
染の川勝 京友禅附下 「吹き寄せ柄」 300,000円(税別・反物価格)
帯匠丹波屋 九寸名古屋帯 「雪輪に松竹」 180,000円(税別・反物価格)
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