和をたしなむ

2018.05.19更新 - 徒然なるままに

袷と単衣、夏衣の間。

 

今日の名古屋は、抜ける様な青空。

 

昨晩、寝ているうちに大雨が降ったようで、

その影響もあってか、昨日の蒸し暑さが一段落ついた、

爽やかな風が吹き抜ける一日になりました。

 

 

とはいえ、昨日の名古屋の最高気温は30℃。

 

湿度の高さも相まった蒸し暑さは、

着物を着ているには何かと辛い一日だったのではと、

自身も着物を着て、汗をかきながら感じていました。

 

 

そんな中、

 

昨日お越しになられたお客様は、

羽織こそ黒の紗羽織でしたがビシッと袷の着物をお召しになり、

汗をかいている様子も見せず、とてもスマートに着こなしておられました。

(ちなみに80歳近いご婦人)

 

本来のきもの暦でいえば、5月はまだ袷の季節であり、

その方がお召になられているものがルールとしては正しいのですが、

私が想うそのご婦人の素晴らしさは、

ルールを知った上で、自身の事だけでなく他者の事も慮った装いをされている、

その御心かと思っています。

 

 

「暑いから涼しいものを着る。」

 

「ルールは守らなくていけない。」

 

「ルールなんか関係なく、自分の好きにしたらいい。」

 

といった、一極的な考えに囚われず、

そのすべてを理解した上で、自身が心身ともにもっとも快適で、

着物を楽しめる装いをする事が何よりも大切な事なのではと、

その方の姿を拝見しながら勉強をさせて頂きました。

 

そんな事を感じた、今日の私の装いは、

 

 

単衣の米沢御召と博多織の角帯。

 

今日ぐらいの涼しさと、風の強さがあるときは、

しっかりとした生地感のものの方が着やすいのが、私なりの感覚。

そして、単衣は今の季節のマストだと思っています。

 

 

自分自身にとって、

ルールを守る事が一番であれば、それが良し。

 

ルールを守る事より、

快適さを追求したければ、それも良し。

 

 

最近は、着物警察という訳のわからない言葉がありますが、

自分自身にも、そして他者にも寛容な心を持ち、

無理せず、自分らしく装うアイテムとして、

皆さまにとって着物がもっと身近にあればと願っています。

 

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