和をたしなむ

2022.09.30更新 -

無地にして無地にあらず。「手織り紬・小熊素子・草木染・やたら織・薔薇」

 

今月はあまり新入荷のご紹介していませんでしたが、

ラストスパートにて何点かご紹介します!

 

 

今日は、

先日の産地を巡る旅にて伺った、

手織り紬の小熊素子さんの一反です。

 

 

手織り紬「小熊素子・草木染・やたら織・薔薇」

 

 

東京で製織活動をされている、

小熊素子さん。

 

 

工房の様子は、

以前のブログをご覧ください。

無限に広がる無地紬の色世界。

 

 

元々、郡上紬に源流をもつ小熊さん。

 

 

郡上紬で重要無形文化財(人間国宝)を保持されていた、

故 宗廣力三氏に師事し、

草木染と手織り紬の基礎を学ばれたそうです。

 

 

こちらの一反は、

その源流である郡上紬とは違う無地紬。

 

 

郡上紬というと縞柄や格子柄が多く、

そもそもが岐阜の山間部の郡上八幡で、

戦後、貧困が極まった農村の副業として、

絹織物を始めたという経緯があり、

 

どちらかと言えば、

そうした民藝的な側面を持った色柄に、

郡上紬の良さがあると思います。

 

 

小熊さんが手掛ける織物は、

そうした郡上紬の要素を取り入れつつ、

現代の趣向、女性らしさが織り込まれた、

今からの時代を紡いでいく紬織物。

 

 

無地だからこその美しさが在ります。

 

 

と言いつつも、

小熊さんが手掛ける無地紬は、

織の表情が際立ったものが多いです。

 

 

この一反も、

光の当たり方、見る方向によって、

複雑な織りの世界が広がって見えます。

 

 

これには理由があり、

まずは草木染めで糸を染めているので、

染あがり自体に表情があることと、

 

それに加えて、

そうした表情ある染糸を、

緯糸に複数本使い織り上げるので、

自然と織りに表情が生まれるという訳です。

 

 

微妙に違う緯糸。

 

 

あとは小熊さんの感性に任せて、

緯糸が織りあげる「やたら織」という事で、

この一段一段の織段が、

一反となると得も言われぬ表情として、

仕上がるという事です。

 

 

草木染に使用した植物は「薔薇」。

 

 

小熊さんの工房の庭に咲いていた、

野趣あふれる薔薇たちが原料です。

 

※小熊さんの工房に咲く薔薇たち。

 

グレイッシュでもあり、

また、ベージュな色目もあり。

 

薔薇の様な気品とチャーミングさを、

持ち合わせた織り上がりになっています。

 

 

無地にして無地にあらず。

 

 

ここにこそ手織り紬の味わい、

草木染の良さがある事を教えてくれる、

素晴らしい織り上がりの一反。

 

 

ぜひ、お好みに合わせて、

コーディネートをお楽しみ下さいませ。

 

《掲載商品詳細・ご購入はこちら》

 

手織り紬「小熊素子・草木染・やたら織・薔薇」

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