2022.09.26更新 -
徒然なるままに
微細な絣柄を大胆に染め上げる。「手織り紬・結城紬 産地を巡る旅『たたき染』」
過日、関東を二日間かけて回った、
手織り紬・結城紬 産地を巡る旅
紺屋の稲葉さんのところでは、
結城紬独自の染色法である、
「たたき染」の様子を拝見しました。
たたき染とは、
そのまま、叩きながら染る技法なのですが、
微細な絣くくりをした糸束は、
ただ単に染料の窯で焚き染をしても、
糸の一本一本まで染色が入りにくく、
それを解消するために生まれた技法です。
硬い樫の棒の先に、
染めた糸束を括り付け、
それを平らな石で出来た染台に、
打ち付けながら染付をしていく工程。
樫の棒の先端を先に打ち付け、
絣糸の束を柔らかく石の台に打ち下ろし、
その力で染色を浸透させるという事です。
「やってみなー!」
と言われ、
体験用のもので真似事をしてみる事に。
稲葉さんは簡単そうにされるのですが、
やってみるとそう上手くはいかず、、、
職人業の凄さを実感しました。
↑体験あるある(笑)
細かに絣くくりをされた糸束。
そんな乱暴に扱って良いのかと思うのですが、
もちろん、乱暴には扱っておらず、
叩く力が強すぎると、
括ったところにも色が入ってしまい、
絣柄が滲んでしまいますし、
反対に弱すぎたら、
色が入らず絣柄が仕上がらない。
「やり直しがきかない仕事だから、とても気を遣うんだ。」
と稲葉さんは仰っていましたが、
本当に繊細な仕事だと感じました。
2でも書きましたが、
結城紬は分業制で一反の反物を仕上げる、
チームワークが求められるもの。
稲葉さんはそのことを何度も仰り、
横のつながりの大切さを、
語っておられました。
自分だけでなく、
結城紬の産地全体が栄える様に。
そんな大切なことを教えて頂けた、
紺屋さんでのひとときでした。
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