染めと織りの逸品が出逢うとき。「小倉淳史 辻が花染九寸帯×黄八丈ゆめ工房 山下芙美子市松綾黒八丈」
秋の季節感に向く、
美濃幸好みの辻が花染小倉淳史コーディネート。
今週、訪問着のコーディネートをご提案させていただきました。
詳しくはこちら
→ハレのひとときに想いを馳せる一着を。「小倉淳史辻が花染訪問着×美術工芸啓袋帯」
伝統的な技法を使い、古典的な文様を配置し、
その神髄は豪華な絵羽付けの訪問着などにあるのは事実です。
私も先日小倉先生にお会いし、その新作発表会の会場に掛けてあった、
素晴らしい訪問着の数々を目にして、その事を実感しました。
ただ、小倉先生が目指されている染色の世界観には、
「着手の美しさを引き立てる」という事に在り、
それは絵羽物に限らず、塩瀬の九寸帯にもあります。
という事で、
本日は小倉先生が染め上げた九寸帯を使い、
美濃幸好みのコーディネートを仕上げてみました。

塩瀬の帯ならではの白地が活かされて帯地の上に、
鮮やかな色彩で銀杏と楓が染め上げられた一本。
秋の風情を感じさせてくれる仕上がりとなっています。

辻が花染は、絞りの技法とカチン描きとの両方を使い染め上げる染色法で、
大胆な露芝模様とその間に舞い散る楓と銀杏、

さらにそこの合間を縫うように、
カチン描きで草花模様が描かれています。
すきっとした柄配置と、それぞれの色選びが実に絶妙。
あくまでも古典的な文様や図案を使っていますが、
こうしたひとつひとつに細やかな心遣いと、
いつまでも洗練されたデザインを求めておられるところに、
小倉淳史が染め上げる一本の魅力が在ります。

合わせた長着は、
黄八丈ゆめ工房 山下芙美子さんが織り上げた市松綾の黒八丈を選びました。

今や、見かける事もほとんどなくなった織物の逸品。
漆黒の様に、でもどこか温かみと深淵なる味わいがある黒八丈と、
この小倉先生の一本が良く似合いました。

細かな市松模様を綾織で表現された一反ですが、
ご覧の通り互いに力のある一品同士。
織の着物に塩瀬の帯という、
昔から言われている最高の相性ではありますが、
互いの個性を主張しすぎないかとも思いましたが、
合わせてみれば、
すっと馴染み双方の魅力を引き立ててくれる様子。
こうしたところに、
本質的な上質感やものづくりの真髄があるように思います。
何気なく、季節を感じる染め帯の魅力。
その一本が、皆さまにとってお気に入りのものであり、
着物をお召しになる瞬間がその一本によって益々楽しいものになれば、
何よりも嬉しいことです。
来たる季節を想う着物や帯たちとともに、
素敵なひとときをお過ごしくださいませ。
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264,000円(税込・反物価格)
黄八丈ゆめ工房 山下芙美子作 市松綾 黒八丈
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