男のきものを嗜む。「麻上布に袖を通す。」
暑さと湿気がやって来ました、例年通りの日本の夏(汗)
日々、着物を着ている私は、
外出先で初めてお会いする方のほとんどに、
「着物って暑くないですか?」
という質問を受ける、いつもの季節にもなりました。
私的には、「夏は裸でも暑い。」が持論で、
むしろ肌を隠してくれる着物の方が、
体感的には快適に過ごせると感じています。
そして、着る素材も色々と考え、
夏にこそ向く素材を選び、その日その日、袖を通しています。
そんな私の、今年のお気に入りはこちら。
夏らしい生成り色の「麻上布」の長着。
実はこの麻上布は頂きもので、
大変にお世話になっているお客様から、
「若だんなが良かったら着てもらえない?」
とお声掛けを頂き、小躍りしながら頂いたもの。
その方のお父様が生前、大切にお召しになっていたものだそうです。
何十年も前のものなので、
果たして着れるものかと思っていたのですが、
お父様はご身長があられた方の様で、裄は多少短くとも着丈は問題なし。
裄は今の季節のものですし、
私自身が普段着として袖を通しているものなので、
むしろ短めの方が便利します。
地色も、おそらく当時はもう少し明るく、
現在は若干変色をしてしまった様子。
それも、普段に着るのであれば全く問題なし♪
唯一の難点は、
誂えてからかなりの年月を経ていること、
またお父様が何度もお召しになっておられたことから、
「縫い糸が弱っている」事です。
現に今も、着ているそばから、
少し縫い目に力がかかると、「プツッ!」と音を立てて、
麻の縫い糸が切れていきます。
これに関しても、致し方なし!
表生地が切れず、縫い糸が切れていくことが、
和裁の魅力であり、素晴らしさです。
今年は何とかやり過ごし、
秋口になったら解いて洗い張りをして、
新しい縫い糸で縫ってもらえば済むということ。
とりあえず今夏は、あまり無理はさせず、
着物の様子を見ながら付き合っていけたらと思います。
名古屋の梅雨明けはまだですが、
夏真っ盛りの様相を呈してきた七月の気候。
35度を超える夏日は、室内にいても自然と汗をかき、
思ってもいないうちに体調を崩すこともあります。
皆さまも十分ご自愛頂き、また体調や気候と相談をしながら、
自分らしいスタイルで、夏着物をお楽しみ下さい。
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