和をたしなむ

2017.07.19更新 - 男のきもの

男のきものを嗜む。「麻上布に袖を通す。」

 

暑さと湿気がやって来ました、例年通りの日本の夏(汗)

 

日々、着物を着ている私は、

外出先で初めてお会いする方のほとんどに、

 

着物って暑くないですか?

 

という質問を受ける、いつもの季節にもなりました。

 

私的には、「夏は裸でも暑い。」が持論で、

むしろ肌を隠してくれる着物の方が、

体感的には快適に過ごせると感じています。

 

そして、着る素材も色々と考え、

夏にこそ向く素材を選び、その日その日、袖を通しています。

 

そんな私の、今年のお気に入りはこちら。

 

 

夏らしい生成り色の「麻上布」の長着。

 

 

実はこの麻上布は頂きもので、

大変にお世話になっているお客様から、

 

若だんなが良かったら着てもらえない?

 

とお声掛けを頂き、小躍りしながら頂いたもの。

 

その方のお父様が生前、大切にお召しになっていたものだそうです。

 

何十年も前のものなので、

果たして着れるものかと思っていたのですが、

お父様はご身長があられた方の様で、裄は多少短くとも着丈は問題なし。

 

裄は今の季節のものですし、

私自身が普段着として袖を通しているものなので、

むしろ短めの方が便利します。

 

 

地色も、おそらく当時はもう少し明るく、

現在は若干変色をしてしまった様子。

 

それも、普段に着るのであれば全く問題なし♪

 

唯一の難点は、

 

誂えてからかなりの年月を経ていること、

またお父様が何度もお召しになっておられたことから、

縫い糸が弱っている」事です。

 

現に今も、着ているそばから、

少し縫い目に力がかかると、「プツッ!」と音を立てて、

麻の縫い糸が切れていきます。

 

 

これに関しても、致し方なし!

 

表生地が切れず、縫い糸が切れていくことが、

和裁の魅力であり、素晴らしさです。

 

今年は何とかやり過ごし、

秋口になったら解いて洗い張りをして、

新しい縫い糸で縫ってもらえば済むということ。

 

とりあえず今夏は、あまり無理はさせず、

着物の様子を見ながら付き合っていけたらと思います。

 

名古屋の梅雨明けはまだですが、

夏真っ盛りの様相を呈してきた七月の気候。

 

35度を超える夏日は、室内にいても自然と汗をかき、

思ってもいないうちに体調を崩すこともあります。

 

皆さまも十分ご自愛頂き、また体調や気候と相談をしながら、

自分らしいスタイルで、夏着物をお楽しみ下さい。

 

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