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今月一か月間にわたって、 美濃幸好みのおすすめ帯たちをご紹介してまいります。
今日ご紹介をします美濃幸好みの一本は、
思わず笑みを浮かべてしまう大人可愛さをもった染め上がりの塩瀬九寸帯。
着物の色柄コーディネートは、その方向性も様々、まさに十人十色で、
洋装と同じ、
モノトーン調にまとめたコーディネイト、
流行りのくすみ色でまとめたコーディネイト、
鮮やかなパステルカラーのコーディネート、
などなど、
式服としての和装という側面が現代のおいては減ってきた分、
ファッションとしての側面が前面に出てきていると感じています。
大正時代の様な和装中心の服飾から洋装が取り入れられ、
時代背景とも相まって、混沌のなかで混じり合った頃の様な奇抜さや斬新さまではいきませんが、
(個人的にはこの時代の和装の色柄が大好き!)
落ち着いて個々が良いと思えるものを選らび、自由に身に付けられる現代のファッションも、
令和の時代を創るファッションであり、そのひとつに和装=着物があって欲しいと願っています。
さて、
私はきもの美濃幸好みという言葉をよく使っていますが、
その美濃幸好みとは何ぞやと問われれば、
それは「チャーミングな大人な装い」や「大人可愛さ」というキーワードが当てはまります。
色と色とが重なり合い、柄と柄とが組み合わさり、
前述の大正時代の様な長着と帯、小物の取り合わせの仕方を令和流に取り込み、
すべての皆さまの自然な笑顔を引き出せるような着物コーディネートを目指して、
品揃えやコーディネイトの解説をしております。
今日は、そんなきもの美濃幸の想いを叶えてくれる、
チャーミングな大人な女性を目指す貴女にお届けしたい一本をご紹介いたします。

九寸帯(名古屋帯)「塩瀬・ふくら雀」
橙色の地色の上に愛らしいふくら雀が染め抜かれた一本。

身近に親しまれている雀は、古くから絵画や文様の題材とされており、
鎌倉時代にはすでに図案化され、様々な意匠化がなされている、
日本文化のなかで培われ、磨かれてきた文様のひとつです。

この帯の染柄の様に、
雀と竹は付きものとして取り合わせることが多く、
縁起の良い文様とされています。
雀自体も稲作の日本を象徴とするものとされ、
それ自体が「実りの象徴」であり、このふくら雀の様に丸々とした様子は、
その愛らしさとともに「福良」という字が宛てられるほど、
古くから大切にされてきた文様となります。
そのふくら雀の愛らしさと、
その愛らしさだけにとどまらない丁寧な手仕事からくる上品な雰囲気、
その両方を感じさせてくれる最高の仕上がり。

ただ、この様に愛されているふくら雀の柄にも難しさがあります。
この様なただでさえ愛らしさのある柄は、
微妙な塩梅や、絶妙な匙加減がとても重要。
大きさや染色、柄の意匠など、
ひとつまみの多少によって子供っぽくなってしまったり、
はたまたただの「雀の柄」に陥ってしまいます。

こちらの一本ははっきりとした橙色の地色と、
ふくら雀の羽根には染疋田を、また動態には七宝模様など、
帯自体の格調を高める文様や染仕事を使う事で、
そのふくら雀の愛らしさはそのままに、塩瀬の九寸帯としての格式は持たせ、
どの様な場面であってもこの一本を結んでいただける染め上がりとなっています。
帯〆も季節に合わせて、色々なお色をお選びいただけます。
今回は繊細さもある塩瀬の九寸帯の雰囲気を引き立てるために、
シンプルな冠組の帯〆を選びました。
この帯、今回のコーディネートの様な、
帯に軸足を置いたコーディネートを作りたい時には、
冠組の様な細目で、帯との馴染みが良いものを選ばれると良いと思います。

これからの季節、桜を想えば、
桜色の一本が自然と馴染みます。

柔らかに桜色と白~ローズピンクのグラデーションは、
ふくら雀の愛らしさを引き立ててくれるようです。
新緑美しい頃、若草色に想いを乗せても良いです。

こちらも桜色と同様、柔らかな色味がふくら雀との相性も良く、
また橙色の地色に一色爽やかな色が挿され、
メリハリのある印象を与えてくれます。
秋の頃、野山の色に想いを馳せるこの様な色目はいかがでしょうか。

ぐっと引き締まった印象を与えてくれつつも、
決して帯が持つ個性を壊さない濃茶色の良さと、
それを受け止めてくれる帯の力を感じる組み合わせです。

ふくら雀というと、先ほど解説しましたとおり、
縁起の良い柄という事もあり、
新年や初春などのお目出度さを感じる頃の柄に思えますが、
こうして帯〆の色を変えていただく事で、
袷の季節を通してお楽しみいただける帯という事が分かっていただけたかと思います。
帯〆の色目次第で四季折々に結んでいただける懐の広さも、
着物好きの皆さまにとって最高に魅力的です。
上質な一本には、貴女のチャーミングな大人の魅力を引き立ててくれる力があります。
お心に留まる最高の一本とともに、
着物と在る時間を存分にお楽しみいただけたら嬉しいです。
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