男のきものを嗜む。「人生の節目に着物」
今日は我が娘がお世話になっている小学校の入学式。
PTA会長として最後の入学式に出席し、
ピカピカの一年生を前に祝辞を述べてまいりました。
役目を承ってからの数年、
新一年生たちに受けが良い入学式向けの祝辞は準備万端!
今日もやはりウケが良く、
楽しい気持ちで祝辞の時間を過ごすことが出来たのですが、
実はちょっとした不安も持ちながらこの時を迎えました。
先日、SNSを見ていたら、
どちらかの学校でPTA会長をなされているお母様が、
卒業式にお召しになられた着物(訪問着)とともに、
出席されたその時の着姿写真を上げられておられたのですが、
そこに付いていたコメントのなかに、
「PTA会長が着物なんか着て、貴女の承認欲求のために卒業式がある訳では無い」
とありました(汗)
何かと風当たりが強い世間一般のPTA会長。
私のスーツの手持ちは葬式用のブラックフォーマルしかなく、
着物しか入学式に相応しい衣裳がありません。
カジュアルダウン化している日本の服飾文化とはいえ、
流石にボタンダウンにチノパンでは、
別方向からの風当たりが厳しくなりますので、
さてどうしたものかと、
ビクビクしながら本日を迎えました(笑)
考え方は人それぞれ、
PTAの在り方もそれぞれ。
きっと、今日ご出席なされた保護者さんは、
好意的に私の着物姿を受け入れてもらえるだろうと信じ、
また、日頃から着物姿でしか小学校に行っていない事も、
重々ご存知だろうと思い、
私なりにお祝いの気持ちを込めて、
こうした着姿で会場に向かいました。

ハレのひとときを迎える新1年生、
そして保護者さんへの祝いの気持ちを込めて、
全体の色目のイメージは、
出来るだけ落ち着いたものを選ぶように心掛けました。
半襟もベーシックな濃紺として、
長着は、シックな色無地、
羽織は、梨地の御召生地に一つ紋入りのものを、
羽織紐は、水色に桜色を組み上げたものを選び、
角帯は、若葉の様な色目のつづれ織りの一本を合わせてみました。

桜咲く季節に若葉の様に初々しく、
また溌溂に芽吹く若葉と新一年生をかけて、
これからも彼ら彼女らの学校生活が、
すくすくと伸びやかにある様になればと思ってのコーディネートです。
人生の節目に着物がある光景。
今や絶滅危惧種の様になりつつあります。
今日も保護者さんの着物率は10%程度でしたが、
その数名のお母様方が、
想い想いの着物に袖を通されており、
きもの屋としてだけではなく、一保護者としても、
その姿を見ては微笑ましく思いました。
恐らく今朝は、
まだまだやんちゃ盛りの新一年生である我が子をなだめながら、
子どもの支度を早々に済ませて、
そんななかでも、
何とか着物をお召しになられたのであろうと思うと、
私としては嬉しい限りです。
すべての保護者さん、すべてのご家庭が、
おしなべて着物を着れるとは思っていませんが、
子どもたちが親になった時にも、
この日本らしいハレの姿を残していきたいと、
切に思わされた、今日の祝いのひとときでした。
これからも、人生の節目に着物があります様に。
本日入学式を迎えられた皆さま、誠におめでとうございます。
どうぞ着物と共に、
思い出に残るひとときをお過ごしくださいませ。
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