季節感ときもの暦のあいだにあるもの。「袷時期の紋紗羽織コーディネート」
随時ご紹介をしております、
お客様の着姿ご紹介。
今日ご紹介します着姿は、
昨年秋頃の着姿だったのですが、
今時分にもしっくりとくるコーディネートであり、
また時期的にも袷と単衣の間頃のことなので、
改めてご紹介をさせて頂く事にしました。
「袷時期の紋紗羽織コーディネート」
どうぞご覧下さいませ。
グレイッシュの濃淡を染め分けた、
紋紗生地の羽織と、
単衣頃に心地好い色目の飛び柄小紋に、
染めの九寸帯を合わせたコーディネートです。
この着姿を拝見させて頂いたのは、11月。
きもの暦としては袷の季節だったことのあり、
お客様からは、
「未だに羽織っているけど、大丈夫かな?」
とのお声。
確かに、季節的には袷の羽織をお召しになるのが、
きもの暦的には正解な訳です。
紗羽織といえば、
単衣から夏衣に掛けて楽しむもの。
10月頃ならまだしも、
11月になり季節はとうに過ぎているのに、
未だに着ていて良いものなのかと、
流石に不安になったとの事でした。
そのお客様にお伝えした、私の意見は明確!
「今の様な気候だからこそ、大いにお楽しみ下さい。」
そう、
温暖化が叫ばれて十年近く。
最近の気候は明らかにそれまでとは違い、
5月には汗ばむ陽気となり、
10月を過ぎても半袖が心地好い、
そんな気候が当たり前になっています。
きもの暦で言えば、
5月と10月は袷の季節。
こちらのお客様が羽織られた紋紗羽織の季節感と言えば、
6月から8月までというところでしょうが、
気候が変わった今だからこそ、
この紋紗羽織の本領が発揮される!
そんな想いで、
こちらのお客様に限らずご縁のあったお客様には、
紋紗羽織をお勧めしております。
更にその着心地をお聞きすれば、
「これ以外に考えられないほど快適!」
との事。
これが全ての答えの様に思いますし、
その心から感じる体感やお気持ちこそ、
着物を「今の時代」に楽しむ事に、
欠かせないことだと思っています。
こちらでも何度か書いていますが、
そうした想いはあくまでも、
個人のお洒落のうちに於いての事。
相手があり、ドレスコードを守る事で礼節を尽くす礼装事に関しては、
TPOや相手の気持ちに配慮した着物姿があって然るべきですが、
そうした礼装事に於いても、
少しずつ時代や気候に合わせて、
変わっていく事が自然の様にも思えます。
紋紗羽織の下には、
袷の小紋をお召しになり、
帯は秋桜を染め上げた九寸帯。
柔らかな小紋の色目と、
グレイッシュな羽織と帯の色目が調和し、
とても秋らしいコーディネートに、
仕上がっていました。
季節感ときもの暦の間には、
「着手の想い」と「自分らしさ」があります。
それを大切にしながら、
今の時代に合った着物の楽しみ方を、
お伝えできればと思っています。
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