男のきものを嗜む。「入学式に同伴する父親の着物姿」
昨日行われた、息子の入学式。
母親きものコーディネイトはご紹介しましたので、
続いては私の着物姿。
「 息子の入学式に向かう父親の着物姿 」
をご紹介したいと思います。
母親きものコーディネイトはこちら
先月の卒業式とは違い、
私が日常的に和装でいるとは知らない方々ばかりの入学式なので、
悪目立ちをしてはならないと思い、
色目は出来るだけシックにまとめて、
スーツの中でも馴染みやすいコーディネートを意識しました。
とは言え、
和装の父親なぞ当たり前の様に私一人だけなので、
どこまでも目立つことには違いないのですが(笑)
保育園から数えて約10年。
和装で各式典に出席をされるお父さんには出逢ったことはないので、
どこかでお出逢いすることがあったらどのような気持ちになるのでしょうか。
変に緊張しちゃいそうですが、
着物男子仲間になれたら嬉しいなと思っております!
さて、袖を通した着物たちの紹介ですが、
長着はしっとり滑らかな三眠蚕のちりめん生地を、
こっくりと深みのある靄ぼかしに染め上げた色無地。
羽織は、私の礼装着物の定番である一つ紋入りの御召羽織。
角帯は春らしい明るい色目も考えましたが、
先述の事を意識し、落ち着いた色目の博多織の一本を合わせて、
羽織紐は春らしい爽やかな色目のものを付けました。
羽織紐だけ変えれば、
そのままお悔やみ事にも参列できそうなコーディネートですが、
意識したのは落ち着いたスーツ姿なので、
それで私的には正解なコーディネートに。
羽織紐とネクタイは、着姿においては似た性質があるので、
黒や鼠の無地のものを付ければお悔やみに。
華やかな色目のものを付ければ晴れやかな場にと、
TPOによって変えることが出来ることは、
とても便利であり、コーディネートの幅が広がることだと思っております。
そして最後、
礼装着物姿の締めとして、
脇に扇子を一振り差しておくのは大切なこと。
男女ともにこの有り無しで着姿が一段締まって見えます。
この扇はあおぐものではなく、
(本当に暑い時にはあおいでも問題はありませんが)
男性で言うと脇差に見立てたものであるという説や、
また茶道に通ずる考え方では、
自身の結界や相手への礼節のためという考え方もあり、
女性の場合は、帯揚げの前か後かどちらに挿せば良いのか
などなど、
その扇の役割などは諸説あれども、
ここに一挿しあるかないかで、
礼装の着姿全体の雰囲気を創り上げてくれる事には違いはなく、
皆さまもぜひお気に入りの一振りをお持ちになり、
この様なひとときの一役を担わせてみてはと思います。
ちなみに私の扇は、
京都の「宮脇賣扇庵」さんで購入したもの。
とても素敵なお店ですので、
京都に行かれる際は一度お立ち寄りくださいませ。
入学式や卒業式。
現代においては和洋問わず、何を着ていけばいいのか、
色々とお悩みになる事多いかと思います。
考え方は様々ですが、
私としては息子の新たなスタートを見守り、
その後押しをしてあげられる着物姿となっていれば、
親として何よりも嬉しく、大切なことだと思い、
節々の着物を選んでいます。
皆さまにとって、またご家族様にとって、
大切なハレのひとときを迎える衣装が心に残るものであります様に。
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