和をたしなむ

2024.11.22更新 - コーディネート紹介

街着の復権と、染物が持つ礼装に向く品格を。

 

先月から約一か月間にわたりご紹介をして参ります、

 

「 美濃幸好みのちょっとしたフォーマル着物 」

 

 

 

日々、それに似合う新入荷の一品や、

きもの美濃幸好みのコーディネイトをご紹介して参ります。

 

 

 

このシリーズも最終盤。

 

来週からは週はじめの模様替えをするなかで、

歳末に向けたテーマにて、

美濃幸好みのコーディネイトや一品たちをご紹介して参ります。

 

 

普段の当店と言えば、

紬や八寸九寸帯のご紹介が多く、

どちらかと言えばカジュアル傾向に軸足を置いた

品揃えやご提案をしております。

 

 

そんな店がご提案するフォーマル着物に、

どこまで関心をもっていただけるかと思案をしておりましたが、

 

それに反応して下さったのか、

今月は今までにないくらいのフォーマル着物に関するお問い合わせや、

数多くのご注文を頂く事が叶いました。

 

 

本当に有難い事と、心から感謝申し上げます。

 

 

 

今日ご紹介する一品とコーディネイトは、

そんなカジュアル傾向があるきもの専門店として、

少し違った目線でご提案させていただく、

正に「美濃幸好みのちょっとしたフォーマル着物」です。

 

 

どうぞ楽しみにご覧下さいませ。

 

 

 

 

吹寄柄を染め上げた飛び柄小紋と、

七宝つなぎを染め上げた塩瀬の九寸帯を合わせてみました。

 

 

きものコーディネイトとしては、

バランスの良い色柄がまとまった組み合わせではありますが、

「フォーマル着物」に入れて良いかといえば、

賛否が分かれるところかと思っています。

 

 

 

 

小紋も塩瀬九寸帯をどちらかといえば、

「街着」の範疇にあるもの。

 

 

今の時代、今の生活様式において、

街着という言葉や意味自体が死語の様になっており、

洋装であっても「街着に着替えてお出掛け」という様な言葉は、

まったくと言って良いほど見かける事がなくなっており、

そうした事は私としては大変残念な気持ちがしています。

 

 

ジャージやスエットは普段着であり、

お出掛けをする際にはそれから襟付きのものなど「街着」に着替えて、

俗に言う「おめかし」をしてからお出掛けする事が一昔前の常識でしたが、

そうした事も古き時代の名残の様なものに。

 

 

和装自体、現代においてはそれだけで礼装感が一気に高まるので、

洋装とは別の意味で普段着と街着の区分が曖昧となっていますが、

改まった席に袖を通す様な晴れ着とそれとは明確な違いがあることは承知しています。

 

 

 

先のも書いた通り、

服飾におけるカジュアル化が進んでいる現代において、

街着も色柄や合わせ方を考えれば、

十分にちょっとしたフォーマル着物として一役かってくれる様な存在にもなります。

 

 

そして、

そうした事からでも街着が復権する事は嬉しい事で、

 

訪問着や附下ほど改まり過ぎず、

織物では表現しきれない、

糸目友禅や型友禅ならではの流麗な染物の品格を、

一格気軽に感じ、身に纏う事が出来る小紋の魅力を、

 

「ちょっとしたフォーマル着物」という範疇で、

お召しいただけたらと願っています。

 

 

 

さて、

 

今回ご紹介しました小紋は、

吹寄柄を型染めと手挿しで丁寧に染め上げた飛び柄小紋。

 

 

 

 

古典柄にも通ずる、しっかりとした柄表現の吹き寄せ柄なので、

身頃や衿、袖柄などに重点を置く裁ち合わせによって、

附下げに負けず劣らずの品格をもった一着に仕上がります。

 

 

 

 

またこちらの塩瀬九寸帯は、

七宝つなぎと華紋を糸目で仕上げた、

京友禅だけが持つ品格を感じる仕上がりの一本です。

 

 

 

 

染め帯というと、

織帯と比べて一格下がった印象をお持ちの方も居られるかも知れませんが、

こうした重くしっかりとした柄付けが施されたものであれば、

充分に礼装の場に結んでいただける一本となります。

 

 

 

 

今回のコーディネイトは、

今までの和装の常識から少し横道に入った、

美濃幸好みのご提案になります。

 

 

ただお伝えしたい事は、

 

着物も帯も、そのものに付けられた柄の格によって、

種類の垣根を超えたコーディネートとして着こなす事が出来ますし、

 

今のドレスコード感を勘案すれば、

もう少し気軽に、そして広くお召し頂ける事が、

現代の和装ならではの醍醐味の様に思います。

 

 

 

ともに晴れやかな場に花を添える一品として、

自信を持っておすすめしたい美濃幸好みの一品たちです。

 

ぜひお試しくださいませ。

 

 

 

《掲載商品のご購入はこちら》

※商品名・写真をクリックしていただくとオンラインショップに移行します。

 

 

小紋「飛び柄小紋・四季ちらし」

209,000円(税込・反物価格)

 

 

 

白木染匠 塩瀬九寸「花七宝つなぎ」

198,000円(税込・反物価格)

※帯のみです。

 

  • 記事一覧

カテゴリー / Category

アーカイブ / Archive

和のお稽古 / Lesson

お知らせ / Information

→ お知らせ一覧

↑PAGE TOP